大ヒット映画『12モンキーズ』が、ドラマになって再びやってきました!
続編でもスピンオフでもなく、ギリアム監督のあの映画『12モンキーズ』をベースに作られた完全オリジナル作品。映画を知っている人はもちろん、知らない人でも楽しめるおすすすめドラマです。
20年以上前に制作された伝説的カルト作品が、ドラマ版となってあの独特の世界観をどう描いているのか。映画版と比較しながら、ご紹介していきたいと思います。
米国ではシーズン4の製作が開始、そして待望のシーズン3が日本でも配信されることが決定しました!詳しくは後述している、配信スケジュールを確認してください。
12モンキーズ<あらすじ>映画版とドラマ版の違い
映画版とドラマ版の大きな違いは、設定年。映画版では2035年から1996年へとタイムトラベルします。ドラマ版では2043年から2015年へ。映画版では、マデリーン・ストウ演じるライリー博士は精神科医でしたが、ドラマ版ではウイルス病学者となっています。それまでのキャリアで見せたことない狂った演技を見せたブラッド・ピット演じるジェフリー・ゴインズは性別が女性となりジェニファーという名前に変更になっています。ちなみに、ブラッド・ピットは、この作品で第53回ゴールデングローブ賞で助演男優賞を受賞、さらにアカデミー賞にもノミネートされ、話題となりました。映画『12モンキーズ』は、北米の興行収入は5700万ドル程度だったのですが、全世界では1億5800万ドルを記録する大ヒット作品となったのです。アメリカでのヒットというより、全世界にファンがいる作品! なのです。
映画版『12モンキーズ』のあらすじ

出典:amazon
\映画版は世界中で大ブームの不朽の名作!/
1995年に公開されたSF映画の名作『12モンキーズ』は、ミステリアスと斬新さを併せ持つストーリーで話題を呼び、世界中で大ブームを巻き起こしました。公開から20年以上経った今でも、熱狂的なファンを持つ、不朽の名作的作品です。監督は鬼才テリー・ギリアム。主演にはブルース・ウィリス、そしてブラッド・ピットがキレッキレな演技を披露して新境地を切り開いた作品でもあります。
ウイルスにより全人類の99%が死滅した2035年。ジェームズ(ブルース・ウィリス)は、汚い地下監獄に閉じ込められている囚人で、前科は不明。ジェームスの生きる2035年は、1996年と1997年に何者かによってばらまかれたウイルスにより、50億人の命が奪われ、地上に暮らせなくなっている状態。
頭がおかしいと思われている囚人・ジェームズは、悲惨なレベルの汚い刑務所から出してもらえる条件として、「過去に戻り純粋なウイルスを持ち帰る」ことを提示されます。
しかし、タイムトラベルで送られた先ではジェームズは次々と困難に見舞われます。頭のおかしな男ゴインズ(ブラッド・ピッド)に絡まれたり、第一次世界大戦真っただ中に送られ負傷したり、さらには指名手配されたりと、なかなかことはスムーズに進みません。とにかく、過去に未来に行ったり来たりで、観る方は頭を使う作品です。2035年からスタートし、1990年にタイムトラベル、2035年に戻り、今度は1917年に。そして1996年の秋に飛んで、2035年に再び戻り、そして1996年の冬へ。
あまりにも行ったり来たりで、「この時点ではこの二人は出会ってなく…」「この時点ではウイルス研究はされていて…」「この時点では…」と頭の中をフル回転させていないとついていけない作品ですが、一度ハマると疑問や矛盾も含めて何度も楽しめます。ジェームズがウイルスを持ち帰り、刑務所から出してもらえるかどうか、映画版でその結末をチェックしてみてください!
ドラマ版『12モンキーズ』のあらすじ
さて、ではいよいよ気になるドラマ『12モンキーズ』の中身についてご紹介していきます!

(C)2015 NBC Universal
まずは、シーズン1から。ときは2043年。ここで映画版との違いがさっそく出てきます。映画版では2035年を舞台に描かれています。ドラマ版では、2043年の世界では、ウイルス汚染から巳を守るために、人類は地下での生活を強いられているという状況です。2015年にバラまかれた謎のウイルスにより地球上の人類の99%は死滅しているという世界です。科学者・ジョーンズ博士は、囚人ジェームズ・コールを2015年に送り込み、原因の究明をすること、さらには未来を変えてしまうことを目論んでいます。
過去を探るための手がかりは音声メッセージに残された「リーランド・フロスト」という犯人の名前と、メッセージを吹き込んだライリー博士。ジェームズは、2015年に転送され、ライリー博士の協力を得ながら、犯人へとたどり着きます。しかし、「リーランド・フロスト」とはセキュリティのための名前であり、本名は「リーランド・ゴインズ」。表向きはワクチン会社の社長であるリーランドですが、彼には生物化学兵器の製造を企むという裏の顔があったのです。ジェームズはリーランドから不思議なことを聞かされます。それは、1987年に一度会ったことがあるということ、そして、ジェームズは“12モンキーズ”という秘密組織を探していたということ。しかし、ジェームズにはその記憶はありません。“12モンキーズ”とは一体何なのか? 謎を解くべくジェームズが動き出します。
シーズン2では、マンハッタンでまさにウイルスの感染が始まろうとしています。未来からやってきたライリー博士は、疫病を食い止めようとします。ウイルスの完全破壊はできるのか、そして、ジェームズとライリー博士は未来を救うことができるのか、これがシーズン2の注目ポイントです!
『12モンキーズ』見逃せない3つのポイント

(C)2015 NBC Universal
ドラマ版の見どころは
- 深みのあるキャラクター
- タイムパラドックスの巧みな描かれ方
- 映像技術の進化!
ドラマ版の良いところは、映画以上にそれぞれのキャラクターに深みを持たせることが出来る点にあります。映画版でさらっと描かれていたキャラクターも、じっくり分析ができるくらい深みのあるキャラクターとして描かれている点に注目してみましょう。
また、映画版でもファンの心を鷲掴みにしたタイムパラドックスの描写は、ドラマ版ではさらに作り込まれているのもポイントです。そして、映像技術の進化にも注目したいところ。
ファンだからこそ「リメイクしない」
熱狂的なファンを持つ映画版『12モンキーズ』だからこそ! のエピソードもあり。ドラマシリーズの脚本を担当したテリー・マタラスとトラヴィス・フィケットは、テリー・ギリアムの熱狂的ファンを明言しています。ドラマ版は『12モンキーズ』をもとに作られた作品ではあるものの、キャラクターもルールも設定もすべて作り変えていることから「リメイクではない」とはっきりとコメントしています。実は、映画公開直後からテレビ化の構想を練っていたという熱狂っぷりをドラマ版で確認してみましょう。
『12モンキーズ』のキャスト&登場人物を紹介
ジェームズ・コール

(C)Syfy
ドラマ版でジェームズを演じるのは”アーロン・スタンフォード”。2043年、謎のウイルスに汚染された世界で生きるジェームズ・コールは、人類を救うためにタイムトラベラーとして旅をします。それは自らの過去を償うための旅でもあります。
映画版では、ブルース・ウィリスが演じた役どころをドラマ版で演じるのは、テレビドラマシリーズ『NIKITA/ニキータ』で天才ハッカー、バーコブを演じて人気を得たアーロン・スタンフォード。ドラマだけでなく、映画『X-MEN2』や『X-MEN:ファイナルディシジョン』にも出演、炎を自由に操るミュータント・パイロ役を演じました。ドラマも映画もSF要素たっぷりの作品に出演する、ワイルドさとかわいさの両方を持つ注目のイケメン俳優です。
■映画版キャスト/吹き替え声優
ブルース・ウィリス/村野武範
■ドラマ版キャスト/吹き替え声優
アーロン・スタンフォード/小松史法
カサンドラ・“キャッシー”・ライリー博士

(C)Syfy
映画版では、マデリーン・ストウが精神科医として演じていた役どころは、通称キャッシーと呼ばれる優秀なウイルス学者ライリー博士として登場。未来からやってくるジェームズと一緒に、事件の核心へと迫っていきます。ジェームズが送られてきた理由となるメッセージは、自分が残したものだと知り、人類を救うことを心に誓うのです。
そんなキャッシーを演じるのは、アマンダ・シェル。2000年公開の映画『センターステージ』で主人公のバレリーナ役でスクリーンデビューを果たしています。24年続けたバレエはまさに本物! ぜひ、デビュー作の『センターステージ』もチェックしてみて! さらに、ドラマ出演には、『プリティー・リトル・ライヤーズ』や『SUITS/スーツ』などがあります。
■映画版キャスト/吹き替え声優
マデリーン・ストウ/戸田恵子
■ドラマ版キャスト/吹き替え声優
アマンダ・シュル/甲斐田裕子
ジェニファー・ゴインズ

(c)Syfy
ブラッド・ピットが演じたゴインズは、ドラマ版でエミリー・ハンプシャーが演じ、名前や性別が大きく変わっています。ドラマ版でも『12モンキーズ』のカギを握る重要人物として描かれています。映画版では50億人、ドラマ版では70億人を死に追いやったと疑われているウイルスの開発者を親に持つという役どころです。ドラマ版では、ウイルス開発者のリーランド・ゴインズの娘として描かれ、リーランド亡き後は、後継者となり事業を引き継いでいます。
天才数学者なのですが、精神的に不安定なため精神病院で生活するという設定です。頭がおかしいという設定は映画版もドラマ版も同じです。ジェニファー・ゴインズを演じるのは、エミリー・ハンプシャー。映画『ボーイ・ミーツ・ガール(1998)』や『スノー・ケイク(2006)』などに出演し、人気を得ました。
■映画版キャスト/吹き替え声優
ブラッド・ピット/宮本充
■ドラマ版キャスト/吹き替え声優
エミリー・ハンプシャー/井上カオリ
映画版では”ジェフリー・ゴインズ”という名前で登場。
ジョーンズ博士

(c)Syfy
人類の未来を変えるためにタイムマシンを作った有名な物理化学者、ジョーンズ博士を演じたのは、バルバラ・スコヴァ。ドイツ出身の舞台役者で、舞台を中心にキャリアを重ねながら、映画に出演。バルバラ・スコヴァは、ドイツ国内だけでなく、カンヌ映画祭、ヴェネチア映画祭、モントリオール世界映画祭で、最優秀女優方を数々獲得するという実力派女優として知られています。
■映画版キャスト/吹き替え声優
キャロル・フローレンス/宮寺智子
■ドラマ版キャスト/吹き替え声優
バルバラ・スコヴァ/加良まゆみ
ホセ・ラムゼ

(C)Syfy
ドラマ版でホセを演じるのは、カーク・アセヴェド。映画版で終盤で登場しますホセですが、ドラマ版では重要なキーパーソンとなります。ジェームズと兄弟のように育ったホセは、慎重な性格の持ち主。ホセは12モンキーズ集団に手を貸すことになるのですが、その理由は、過去を変えてしまうことで息子が居なくなってしまうという事実を知ったから。ホセを演じるのは、映画『シン・レッド・ライン(1998)』『ディナー・ラッシュ(2000)』『猿の惑星:新世紀(2014)』などに出演している演技派です。
■映画版キャスト/吹き替え声優
ジョン・セダ/田中正彦
■ドラマ版キャスト/吹き替え声優
カーク・アセヴェド/北島善紀
青白い男

(C)Syfy
青白い男を演じるは、”トム・ヌーナン”ドラマ版オリジナルキャラクター。青白い男と呼ばれる謎の男は、12モンキーズを追うジェームズとキャッシーの前に立ちはだかります。この男が現れ、立ち去った後には死体の山が築かれているという謎な上に、不気味な存在です。198cmの長身を活かして、まさに“立ちはだかる”青白い男を演じたのは、ドラマシリーズ『ダメージ』や映画『ロボコップ2(1990)』にも出演したトム・ヌーナン。日本でもなじみのある俳優です。
リーランド・ゴインズ

(C)Syfy
通称リーランド・フロストとしてワクチン会社マークリッジの社長を務めているジェニファーの父親には、生物化学兵器の製造を企てているという裏の顔があります。リーランドを演じているのはスロベニア出身の俳優ジェリコ・イヴァネク。映画『アルコ(2012)』で演じたロバート・ペンダー役で知られています。また、ドラマ『ダメージ』にも出演し、主人公パティのライバル、レイを演じてエミー賞助演男優賞を受賞した実力派俳優です。
■映画版キャスト/吹き替え声優
クリストファー・プラマー/大木民夫
■ドラマ版キャスト/吹き替え声優
ジェリコ・イヴァネク/調査中
12モンキーズ シーズン3 配信決定!
日本では、現在シーズン1の13話、シーズン2の13話がhuluにて視聴可能です。アメリカでは、あの大ヒット映画『12モンキーズ』のドラマ化ということで、ドラマ版『12モンキーズ』は、放送前から大きな期待を集めたことは言うまでもありません。
ドラマ版『12モンキーズ』の特徴は、タイムトラベルというSF要素に、次々と謎を呼ぶサスペンス要素がプラスされ、「この先どうなるの?」「次回が早く観たい! 」と期待させるところにあります。放送開始時も、初回から高視聴率をキープし、その後のストーリー展開は、映画版のファン、そしてドラマ視聴者の期待通りの仕上がりで人気は急上昇しました。
シーズン2に突入すると、映画とは違ったストーリー展開が軸となってきたため、あの映画版を原作にした作品として注目されたドラマ版も、少々視聴率が停滞気味に。しかし! 無事にシーズン3も制作され、アメリカでは5月19日から21日の3日間で一気に放送するという珍しい方法で視聴者を楽しませました。
そして、なんとどこよりも早くシーズン3をHuluで配信することが決定しました!2017年11月25日スタートして、2018年1月27日まで毎週土曜、深夜0時に更新されます(全10話)
シーズン1
ep.01 「世界の運命を握る男」
ep.02 「忍び寄る影」
ep.03 「逃げた男」
ep.04 「アタリ」
ep.05 「ナイトルーム」
ep.06 「もうひとつの未来」
ep.07 「トロイ作戦」
ep.08 「スピアヘッド」
ep.09 「明日を信じて」
ep.10 「守るべきもの」
ep.11 「明かされる真実」
ep.12 「パラドックス」
ep.13 「運命」
シーズン2
ep.01 「申年の始まり」
ep.02 「主要人物」
ep.03 「100年の旅」
ep.04 「救出作戦」
ep.05 「目撃者の言葉」
ep.06 「不滅の男」
ep.07 「崩壊の危機」
ep.08 「子守唄」
ep.09 「ハイエナ」
ep.10 「出生の秘密」
ep.11 「復活」
ep.12 「洗い流された血」
ep.13 「明日の記憶」
<シーズン4>アメリカで放送開始!
シーズン1&2は、各13話で構成されていましたが、シーズン3は10話へと変更に。しかし、メインキャストは全員続投決定! プロデューサーはシーズン2から引き続き、テリー・マタラスも続投。もともと、テレビドラマ『NIKITA/ニキータ』や『Terra Nova〜未来創世記』などの脚本を担当していたテリー・マタラスが、ドラマのプロデュースをするというのも見どころのひとつです。脚本家ならではの視点やストーリー展開に期待できそうです。そしてそして! ラストシーズンとなるシーズン4が10話構成で2018年にアメリカで放送決定。結末が気になりすぎますが、日本ではまず最初の2シーズンまでをしっかりチェックしていきましょう。
まとめ
結論!!
『12モンキーズ』は映画版も、ドラマ版もかなりおすすめです。映画版はいうまでもなく、不朽の名作。衝撃的なクライマックスや、ストーリー展開、解かれていない謎などさまざまな解釈がいまだに議論される作品です。そんな名作映画を“原作”とする新たな作品がドラマ版『12モンキーズ』。基本設定はおさえつつ、リンクするところはあれど、ストーリー展開はまったく違うオリジナル作品です。映画を観ていても観ていなくても楽しめますが、原作となった名作は、この機会にチェックしておくことをおすすめします。SF好き、サスペンス好き、謎解き大好き! という方がハマること間違いなしの『12モンキーズ』。観た後に、あーでもない、こーでもないと議論を交わすことも楽しみになる作品です。